東光寺
 東光寺は,甲生が昔,藤原氏の荘園だったので領主の藤原(九條)氏の力添えで建てられたお寺だそうです。お寺の建て方から,鎌倉時代のものといわれています。

 本堂は,じょうぶなクサマキの木が柱などに使われています。今はふき替えられていますが,昔は屋根に,布目瓦と呼ばれる重い瓦が葺かれていました。暑さは2~4cm,重さ3~5kgもある立派なものでした。瓦の内側には,縦横に細かい筋が刻まれています。これは,瓦の内側に布を張って形を整えた跡だと思われます。また,この瓦は,表面だけ黒く焼かれているのではなく,割れ口を見ると中の方まで黒く,石のように堅そうでした。

 東光寺の本尊は,「薬師如来座像」で平安時代の作で,ひのき材の一木寄木造です。昭和34年に国の文化財に指定されました。
 高さは142.5cmで,レンゲの花びらを形取った蓮華台の上に,左足を右足の上にのせた結跏趺坐(けっかふざ)という座り方をしています。
 薬師如来とは,人間を病気やいろいろな悩みから救ってくれるという仏様で,左手に薬壷を持ち,右手は施無畏(せむい)という形をしています。
 これは,人間の持っている様々な恐れを取り除いてくださるという意味があるそうです。
 また,指の間に,縵網相(まんもうそう)と呼ばれる水かきがついています。これは,できるだけ多くの人間を救ってくださるためだそうです。

 東光寺の本殿の前に,昔は「鰐口(わにぐち)」が懸けられていました。「鰐口」というのは,拝殿にお参りした時に,打ち鳴らす鈴のことで,1405年(応永12年)という年号が刻まれていますが,作られたのは鎌倉時代らしいということです。

 東光寺には,本尊の他に,「不動明王像」や「毘沙門天像」があり,丸亀市指定文化財に指定されています。

(参考:「地域から学ぶ本島の歴史と文化」本島小学校昭和57年刊)